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2023.08.21更新



<h2>歯ぐきの健康について</h2>
<h3>・歯ぐきの役割や構造</h3>
歯ぐきは、歯の周りの上皮(じょうひ)で、体の皮膚のような役割をもっています。つまり、体内への細菌の侵入を防いでいます。また、この歯ぐきと歯がしっかりと接していることで、歯と歯ぐきの境目からの細菌の侵入を防いでいます。そして歯ぐきは、歯を支える骨の表面に苔のように付着し、約2mm程度の厚みがあります。

<h3>・歯ぐきの炎症や感染症のリスク</h3>
歯ぐきは、豊富な毛細血管を持ち、非常に早い周期で歯ぐきの細胞は生まれ変わっているため、傷の治りも非常に早いです。しかし、歯ぐきにも炎症が起こることがあります。そして、最も炎症が起こりやすい場所は歯と歯ぐきの境目です。この歯と歯ぐきの境目を歯周ポケットと呼んでいます。そして、この歯周ポケットに起こる炎症を歯周病と言います。通常、歯周ポケットはしっかりと接し、汚れなどが入ることはありませんが、歯垢などが長時間放置されると、歯垢の中の細菌から毒素が産生され、これが歯周ポケットに溜まることで、その周りの歯ぐきや骨を壊していきます。

<h3>・歯ぐきの健康が全身の健康にも関わる理由</h3>
近年、歯周病と全身疾患の間に色々な関係があることが分かってきました。代表的なものとして、歯周病が存在する場合、糖尿病が悪化する可能性が高まると言われています。それ以外にも、歯周病と認知症に関係があることが示されています。逆に歯周病をしっかり治療することで、糖尿病や認知症が改善する可能性があります。
さらに、歯周病がある妊婦の場合には、胎児が早産となるリスクも指摘されています。このようなことから、現在は妊婦健診に歯周病の検査が含まれるようになっています。

<h2>健康的な歯ぐきの維持方法</h2>
<h3>・適切な歯磨きとフロスの使い方</h3>
適切な歯磨きに必要なのは、適切な歯ブラシです。通常の歯磨きであれば、毛先は硬い物でも柔らかいものでもなく、標準的な硬さのものを推奨します。また、歯ブラシの毛先の形にはいくつかの種類がありますが、大きな違いはありません。使いやすいものを選んでください。歯ブラシの持ち方は、持ちやすい方法で構いませんが、あまり力が入りすぎないように注意が必要です。そして、歯ブラシは細かく動かすことがポイントです。細かく、歯を一本ずつ磨くようにすると、歯と歯ぐきの間や、歯と歯の間の細かいところにも毛先が入ります。
フロスは、歯と歯の接触部の汚れを取るための器具です。歯と歯の間に一度通してあげれば十分です。その際に強く押し込み過ぎて、歯ぐきを傷つけないように注意してください。
加齢変化で歯ぐきが痩せてきた時には、歯間ブラシの利用を検討しましょう。若いときは通らなかった歯間ブラシも、徐々に通るようになってきます。

<h3>・歯ぐきを傷つけるタバコやアルコールの影響</h3>
タバコは、口の中を低酸素状態にするため、歯ぐきの血流が不良となり、虚血状態になります。その結果、歯ぐきの治癒力は低下し、歯周病などへの耐性も減弱します。タバコは歯周病の明らかなリスクファクターとされています。
アルコールは、耐性があるかどうかで歯周病への影響が変わります。そのため、アルコールに弱い人は、歯周病を悪化させるリスクが高くなります。また、アルコールに強くても、よって歯磨くきをせず寝てしまえば、当然歯周病のリスクは高まります。

<h3>・口内環境を整えるための食生活や生活習慣の改善</h3>
過度な食事や、頻回な間食は歯ぐきの健康にとって良くないだけでなく、肥満や糖尿病などの生活習慣病に対しても大きな影響を与えます。食事については、適切な量を規則的なリズムで続けることが大切です。またそれ以外にも、タバコもアルコールも、節度を持って嗜むことが大切です。
口呼吸の改善は、口腔内の乾燥を防ぎ、歯並びへの悪影響を緩和することができます。そのため、口呼吸から鼻呼吸への改善が必要です。しかし、アデノイドなどで鼻呼吸が困難な場合には、耳鼻科などで精査する必要があります。

<h2>歯ぐきの健康を維持するための歯科医院でのケア</h2>
<h3>・歯科医院での定期的なクリーニングや検診による予防方法の解説</h3>
歯科医院での定期的なクリーニングや検診のメリットは、う蝕や歯周病の早期発見と早期治療が可能になることです。また、通常の歯磨きでは取り除くことができない汚れを、超音波などの専用の器具を使用することで、除去することができます。さらに、歯磨きができてない部分を把握することもできます。このように定期検診で残った汚れを除去し、適切な歯磨きの指導を受けることで、より確実に歯周病を予防することができます。

<h3>・歯ぐきに異常が見つかった場合の適切な治療方法</h3>
歯ぐきが腫れていたり、歯磨きの時に容易に出血したりする場合には、歯科医院を受診し歯ぐきの状態を確認することが必要です。通常の歯周病であれば、検査をし、適切に治療を継続することで症状は落ち着き、歯周病の進行を抑制することができます。しかし、悪性腫瘍や自己免疫疾患でも歯ぐきが腫れたり出血したりすることがあります。そのため、もしも歯ぐきの異常が改善しない場合には、一度歯科医院で口の中の状態を確認することが大切です。

<h3>・歯科医院での歯ぐきの健康を維持するためのアドバイスやケア方法</h3>
歯ぐきの健康を維持するための最も簡便で効果的な方法は、歯磨きです。お口の健康のために、歯磨きを適切に行うことで、セルフコントロールが可能になります。ただし、歯磨きは思っているよりも難しいため、歯科医院を受診し歯科医師または歯科衛生士に適切な歯磨き方法を指導してもらうことが大切です。歯ぐきの健康を維持するため、是非歯科医院を受診したら、歯磨きの方法やポイントについて色々と質問しアドバイスを受けましょう。

<h2>まとめ</h2>
少しでも長く、美味しいものを味わって食べられるように、さらに美しく口元を保つためには適切な歯ぐきのケアが必要です。そして、歯ぐきのケアは日々の習慣が非常に重要です。ただし、自分で十分にケアができていると思っていても、気付かないうちに歯周病が進行していることもあります。健康な歯ぐきは、歯科医院と個人の二人三脚で維持していくことが必要です。

投稿者: 柏木歯科医院

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