スタッフブログ

2023.05.26更新

 

こんにちは
病気の治療に取りかかる前には、まず検査が必要です。
これは矯正治療も同じで、歯列不正、または不正咬合の治療に取りかかる前に検査をします。
矯正治療ではどのような検査をするのでしょうか。
今回は、矯正治療の検査についてお話しします。

矯正治療での検査について
矯正治療は、数年かかることも珍しくありません。
しかも、治療計画が進むにつれて、歯並びだけでなく、顎の骨格やお顔つきまで変わっていきます。
このため、矯正治療での検査では、治療前の状態の把握と記録だけが求められるわけではありません。
治療の経過が比較しやすいように検査の条件が決められているものもあります。
このようなところが矯正治療の検査の特徴といえます。
現在行われている矯正治療の検査としては、主に『お口の検査』『歯の模型の検査』『写真の検査』『レントゲン写真の検査』などになります。

お口の検査
お口の検査としては、歯並びや噛み合わせなどの歯の状態に加え、むし歯や歯周病の有無、むし歯がある場合の治療の状況、プラークコントロールの状態などを確認します。
また、歯並びに関係する舌や頬、呼吸の癖、顎の動き具合なども検査します。

歯の模型の検査
歯の模型とは、歯型をとり、そこに石膏を流し込んで作ったものです。
歯の模型から、乳歯の状態、永久歯の生え具合や位置、向き、歯並びの隙間の有無、歯並びの形、歯並びの左右対称性、前歯や奥歯の噛み合わせ状態などを調べます。
また、歯の模型は、歯の大きさと歯を並べる顎の大きさのバランスを調べるのにも欠かせません。
歯の大きさと歯を並べる顎の大きさのバランスは抜歯するかどうかの判断基準になるのでとても重要です。
そこで、歯の模型にノギスを当てて実際に測り、歯や歯並びの大きさ、歯が並ぶスペースの広さを確認し、比較します。

写真の検査
写真は、現在の状態を記録するために有用です。

顔貌写真
顔の状態を正確に把握し、記録するために写真を撮影します。
顔写真を撮影するとき、条件を合わせた規格写真にすれば、治療の経過に伴う変化を正確に比較することができます。

口腔内写真
歯や歯並びの状態、噛み合わせの状態を確認するだけではなく、歯の色や詰め物や被せ物の状態、舌の状態などを記録するためにお口の写真も必要です。
上顎と下顎の噛み合わせ面、噛み合わせたときの正面や側面の写真を撮影します。

レントゲン写真の検査
矯正治療で撮影されるレントゲン写真による検査は、主に3種類です。

パノラマエックス線写真
パノラマエックス線写真は、歯科治療で広く利用されているレントゲン写真で、パントモグラフィともよばれます。
この検査では、確認することが非常に多いです。
歯の数に過不足はないか、埋まっている歯があるかどうか、永久歯の歯根の形や方向はどうか、むし歯や歯周病の有無、骨の状態などについて確認します。
また、
子供さんの場合は、それらに加えて、乳歯の歯根の状態、そして次に生えてくる永久歯の状態、生えようとする向き、歯根の成長具合をチェックします。
このほか、顎関節の状態や鼻、上顎洞という鼻の隣にある骨の空洞の状態も確認できます。

頭部エックス線規格写真
頭部エックス線規格写真は、セファロレントゲンともよばれるレントゲン写真です。
この検査は、上顎と下顎の骨格の形や大きさ、骨格の歪みの有無、歯の傾きなどの確認を目的としています。
矯正治療では欠かせないレントゲン写真ともいえ、むし歯治療や歯周病治療で撮影されることはありません。
頭部エックス線規格写真の特徴は、レントゲンの焦点と撮影される方の中心、フィルム表面の距離が決められている点です。
いつ撮影しても同じ条件で写し出されるため、年数が経過した後も、歯や顔面、頭の変化を比較しやすくなっています。

手のレントゲン写真の検査
これは、成人の方には行わない、子どもだけを対象としたレントゲン写真撮影です。
”歯並び”の治療で手のレントゲン写真というと意外に思われるかもしれません。
この検査は、お子さんの成長発育状態を確認することを目的としています。
手の骨は、成長発育にともなって少しずつ作られていくものなので、手のどの部分の骨がどれくらい出来ているのかを見ると、その子の成長発育状態がわかるからです。

その他
顎の関節や、顎の骨格に何らかの異常が認められる場合には、CT撮影をすることもあります。

その他の検査
その他の検査としては、下顎の動きの異常の有無を調べる顎運動記録や、お口を開け閉めする筋肉の状態を調べる咀嚼筋筋電図検査、発音の検査などがあります。

まとめ
今回は、矯正治療での検査についてお話ししました。
矯正治療では、主に
①歯の模型の検査
②写真の検査
③レントゲン写真の検査
これら3種類の検査が行われます。
検査にかかる時間は、1時間前後です。
保険診療の歯科治療でも行われるお馴染みの検査もありますが、矯正治療の検査なので原則的に自費診療です。
当院は、矯正治療の専門知識や治療経験の豊富な歯科医院です。
矯正治療での検査について、ご不明な点があれば、ご質問ください。

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投稿者: 柏木歯科医院

2023.05.19更新


フロスと歯間ブラシ、どちらを使う?!

「デンタルフロスと歯間ブラシって、どうやって使い分けるのですか?」
こんな質問を受けることがあります。
どちらも歯ブラシと一緒に用いる、口腔内の清掃アイテムですね。
どちらを用いたほうが効果的なのかは、お口の中の状態によっても変わってきます。
デンタルフロスと歯間ブラシ、どのような特徴があるのか、どんな時はどちらを用いたほうが良いのか、詳しくみていきましょう。




1.デンタルフロスとは
デンタルフロスは、隣り合う歯と歯の接している部分を清掃することができる唯一のアイテムです。
「歯と歯の間にモノが挟まって取れない」
そんな時に、とても便利ですね。
しかし、フロスの働きはそれだけではありません。
歯に沿わせて動かすことにより、狭い歯と歯の間のすき間を清掃することも出来ます。
歯間ブラシが入らないすき間は、デンタルフロスを用いていくのが良いでしょう。

2.歯間ブラシとは
歯間ブラシは、歯と歯の隣り合う面と、歯肉から成る三角形のすき間の清掃が得意なアイテムです。
歯ブラシのみでは毛先が届きにくく、虫歯になりやすい部分を、歯ブラシよりも手早く簡単にお掃除することができます。
4S~Lと、様々なサイズがありますので、まずは自分に合ったサイズを見つけることからはじめましょう。

歯のすき間に対して細すぎる歯間ブラシを用いると、ブラシがスカスカで歯にうまく当たらず、清掃効率が下がってしまいます。
太すぎるサイズを無理やり使用すると、歯肉を傷つけてしまうことや、歯が削れてしまうことなどが考えられます。
少し抵抗を感じながらも、歯間にスムーズに出し入れできるくらいがベストなサイズです。
とはいっても、お店で試すわけにもいきませんので、最初は歯科医師や衛生士に、自分に合ったサイズを教えてもらうのが良いでしょう


3.どんな時に、どちらを使う?
デンタルフロスと歯間ブラシ、どちらも非常に優れた清掃補助用具です。
では、どのような時に、どちらを用いるのが良いのかを見ていきましょう。

3-1.歯周病の進行が認められるとき 
歯周病の進行が認められると、歯肉が退縮し、下がってくるので、歯と歯の間の三角形のすき間が大きくなっていきます。
そんな時は、歯間ブラシがおすすめです!
歯間ブラシを三角形のすき間に挿入し、3つの面に沿わせるよう動かすことで、歯ブラシが届きにくい細かいすき間を清掃することができます。
奥歯の清掃にはL字型のもの、前歯にはI字型のものを使用すると動かしやすいでしょう。
歯肉の腫れがみられる場合は、歯間ブラシで歯と歯の間を行き来することによって、汚れを落とすのと同時に歯間部歯肉のマッサージ効果も期待できます。

3-2.歯列不正の部分
歯がねじれていたり、隣の歯と重なっていたりする部分は、食べ物もつまりやすく、歯ブラシでの清掃も難しくなりがちです。
そんな部位は、デンタルフロスがおすすめです。
ノコギリのようにギコギコと動かしながらゆっくりと歯と歯の間に挿入し、歯に沿わせるように上下に動かします。
糸巻きタイプの場合、30cm程度に切り、両手の指1本ずつに軽く巻き付け使用します。
歯と歯の間から糸を外す時は、片手の糸を外して歯と歯の間からスッと引き抜くようにしましょう。
ホルダータイプの場合は、勢いよく歯と歯の間に挿入して、歯肉を傷つけてしまわないように注意しましょう。
外すときは、挿入する時同様、ノコギリのように上に動かしながら外していきます


3-3.補綴物が入っている部位
一部分の被せ物(インレー)や、差し歯(クラウン)、ブリッジなどが入っている部分は、少し注意が必要です。
すき間が大きい場合は、歯間ブラシを用いましょう。
ブリッジの部分は、歯と人工歯の間に汚れが残りやすくなります。ブリッジは、上からはフロスが入らないので、歯間ブラシでこまめに清掃するようにしましょう。
インレーやクラウンの根元などで、すき間が小さく歯間ブラシが入らない場合は、フロスでの清掃をおすすめしますが、その際は糸巻きタイプがおすすめです。
ホルダー付きのフロスは、歯と歯の間から外す際に、上に引き上げて外しますが、その際に補綴物に上へ引っ張られる力が加わることになります。
補綴物は、咬む力への方向、つまり、押される力には強いのですが、上へ引っ張られる力には弱いのです。
毎日ホルダー付きのフロスを使用することによって、補綴物が外れてしまうリスクが出てきてしまいます。
そのため、糸巻き状のフロスを用いて、フロスを外す際には片方を離して横から引き抜くようにしましょう。
一度虫歯になった歯は、再び虫歯になりやすいので、気を付けて清掃しましょう。
それによって、補綴物の寿命も延ばすことができます。

3-4. お子さんの仕上げ磨き
お子さんの仕上げ磨きを歯ブラシだけで行っていませんか。
仕上げ磨きにもフロスを使用することで、お掃除がぐんとしやすくなります。
お子さんの仕上げ磨きには、小児用のホルダー付きフロスをおすすめします。
大人用よりも小さいので、お子さんのお口の中でも動かしやすく、虫歯になりやすい歯と歯の間を効率的にお掃除することができます。
最初は歯ブラシとデンタルフロスの両方を使うのが面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくると歯ブラシのみの清掃よりもお掃除がしやすくなるかと思いますよ。

4.まとめ
・ デンタルフロスは、歯と歯の接している部分や、狭いすき間の清掃に便利。
・ 歯間ブラシは歯と歯の間の広いすき間の清掃に適している。
・ 歯周病の進行が認められる時は、歯間ブラシが最適。汚れを除去するのと同時に歯肉のマッサージ効果も期待できる。
・ 歯並びが重なっている部分や、すき間が小さい部分には、デンタルフロスがおすすめ。フロスを外す時は、片方を離して横から引き抜くようにするのがポイント。
・ 詰め物、被せ物が入っている部分は、歯間ブラシがおすすめ。
歯間ブラシでこまめにお掃除することによって、二次う蝕を防ぎ、補綴物を長持ちさせることができる。
・ 子供の仕上げ磨きには、小児用ホルダータイプのフロスがおすすめ。

お口の中の状態は、人それぞれ全く異なります。
また、時間の経過とともに、お口の中も変化していきます。
今現在のお口の中の清掃に必要なのは、何なのか。
また、部位ごとに、どのように清掃していけば良いのかなど、一度歯科医院でチェックしてみてはいかがでしょうか。

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投稿者: 柏木歯科医院

2023.05.05更新

 

こんにちは
歯周病は虫歯と並び、多くの方を悩ませる病気です。
なにしろ進行すると、歯を失いかねないので、歯周病は歯の健康の大敵です。
歯周病はどうして起こるのでしょうか。
今回は、歯周病の原因についてお話しします。
歯周病の原因
まず、歯周病の原因についてご説明します。
歯周病菌
歯周病は、歯周病菌という細菌が引き起こす病気です。
歯周病菌というと一種類しかいないように思われるかもしれませんが、なんと何百種類もいます。
ただ、全ての歯周病菌が等しく歯周病を発症させるのかというとそうではありません。
特に歯周病の発症に関係していると考えられているのが、フォルフィロモナス・ジンジバリス(P.g.菌)、トレポネーマ・デンティコラ(T.g.菌)、タンネレラ・フォーサイセンシス(T.f.菌)の3種です。
この3種類の歯周病菌を合わせてレッド・コンプレックスとよんでいます。
この次に歯周病に関係性の強い歯周病菌はオレンジ・コンプレックスといい、10種類あります。
プラーク
歯周病菌に限らず細菌はミクロの世界に生きているので、前述の歯周病菌を肉眼で見ることはできません。
しかし、歯周病菌が集まって作られたコロニーは見ることができます。
それは、プラークです。
プラークは、歯の表面についている白いカスのようなもののことなのですが、実は歯周病菌や虫歯菌などのすみかであることが明らかになっています。
プラーク1mgの中にはなんと10億個以上の細菌がいると言われています。
プラークがたくさんついている=歯周病菌がたくさんいるという見方ができます。
プラークも、歯周病の原因のひとつというわけですね。
歯周病を発症させるきっかけ
実は、歯周病菌がいるだけでは歯周病は発症しません。
歯周病を発症させるきっかけが必要です。
深い歯周ポケット
歯周ポケットとは、歯と歯肉の間の溝のことで、歯周病菌は、歯周ポケットの中にいます。
歯周ポケットの内部は酸素が少なく、酸素の豊富な環境を嫌がる歯周病菌にとって格好のすみかになっています。
歯周ポケットが深くなればなるほど、酸素が乏しくなる上、歯ブラシの毛先も届きにくくなります。
このため、深くなった歯周ポケットの中では歯周病菌が増えやすくなり、歯周病が進みやすくなります。
プラークリテンションファクター
プラークリテンションファクターとは、プラークがたまりやすい環境、プラークコントロールを邪魔してしまう要素という意味の言葉です。
プラークリテンションファクターは、歯周病の原因であるプラークを増やすことで、歯周病菌を増やし、歯周病の進行を促進させます。
プラークリテンションファクターは、非常に多岐にわたります。
例えば、歯石です。
歯石は、プラークが古くなって石のように硬くなった歯の表面の付着物です。
とても強く歯にこびりついているので、歯磨きでは取り除けません。
歯石の表面はとても凸凹としており、プラークが付着する温床となります。
このほか、歯並びの悪さ、歯にフィットしていない被せ物や詰め物、歯の形の異常、虫歯などもプラークリテンションファクターです。
外傷性咬合
外傷性咬合とは、歯肉や歯槽骨など歯を支える歯周組織に悪影響を与える可能性が高い噛み合わせのことです。
具体的には、噛み合わせの高さがよくない被せ物や詰め物、歯ぎしり、食いしばりなどです。
外傷性咬合を放置していると、歯周組織がダメージを受けることで歯周病が進行します。
なお、外傷性咬合と似た言葉に咬合性外傷があります。
こちらは、歯槽骨の吸収など歯周組織のダメージを指します。
見方を変えれば、外傷性咬合は歯周病を起こす原因、咬合性外傷は歯周病の結果といえます。
全身的因子
歯周病は、歯周病菌という細菌が引き起こす病気です。
このような病原性を持つ細菌に対して私たちの身体には免疫力が作用し、身体を守る仕組みになっています。
免疫力がしっかり働いていてくれれば、歯周病菌の活動を抑えることができます。
ところが、疲れや睡眠不足などにより免疫力が低下すると、歯周病菌の活動を抑えられなくなり、歯周病が進行しやすくなります。
このほか、糖尿病やホルモン異常などの病気も歯周病のきっかけとなり得ます。
不適切な生活習慣
日常生活の何気ない習慣の中にも歯周病のきっかけは潜んでいます。
例えば、タバコ、口呼吸、不規則な食生活などです。
特にタバコの影響は大きく、喫煙者は非喫煙者と比べると歯周病のリスクが2~8倍になる上、いったん発症した歯周病の治りを悪くしてしまいます。
まとめ
今回は、歯周病の原因についてご説明しました。
歯周病の原因は、
①歯周病菌
②歯周病菌が潜んでいるプラーク
です。
そして、歯周病には発症するきっかけが必要で、それは
①深い歯周ポケット
②プラークリテンションファクター
③外傷性咬合
④全身的因子
⑤不適切な生活習慣
などです。
お口の中から歯周病菌を完全に無くしてしまうことはできませんが、プラークや歯周病のきっかけをなくすことはできます。
歯周病予防では、プラークや歯周病発症のきっかけをなくすことを重視して予防に取り組みます。
当院は、歯周病の専門的な知識に加え、長年にわたる豊富な治療経験を持つ歯科医院です。
もし、歯周病でお悩みの方は、ぜひ当院でご相談ください。

投稿者: 柏木歯科医院

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