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2023.08.12更新


目次
・歯の構成
・むし歯の原因とむし歯ができる仕組み
細菌が糖を取り込み、酸を作り出し、歯の成分を溶かす
唾液が歯の酸を中和する
  脱灰と再石灰化のバランスが崩れると、むし歯ができる
・むし歯の進行段階
CO(シーオー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C1(シーワン)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C2(シーツー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C3(シースリー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C4(シーフォー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
・まとめ

<h2>歯の構成</h2>
歯はエナメル質、象牙質、セメント質という3つの硬い組織とそれに囲まれた歯髄という歯の神経から出来ています。
①エナメル質は、歯の一番外側で白い色をしています。人の体の中で最も硬い組織です。無機質の含有率は95%です。その主成分はカルシウムです。
②象牙質はエナメル質とセメント質の下層にあります。硬く黄色い組織で、歯の大部分を占めます。無機質の含有率は約70%で、その主成分はカルシウムです。
③セメント質は、歯の根の外側を覆っています。歯肉の中にある色は黄色です。非常に薄いです。成分の70%がカルシウムです。セメント質は骨と同じくらいの硬さです。エナメル質と比べると柔らかいです。
④歯髄は歯の中央部にある歯髄腔と呼ばれる空間にある軟組織です。歯髄には、根尖孔と呼ばれる歯根先端から神経や血管が入ります。歯髄の機能は歯の形成、感覚の伝達、栄養の供給、防衛などです。

<h2>むし歯の原因とむし歯ができる仕組み</h2>

<h3>細菌が糖を取り込み、酸を作り出し、歯の成分を溶かす</h3>
歯の表面に付着した細菌が糖を分解し作り出した酸によって、歯の成分であるカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す現象を歯の脱灰といいます。歯の表面が白く濁ったり、茶色や黒色に変色します。脱灰が進むと、歯に穴が開いてむし歯になります。
脱灰を防ぐ為に、歯磨きを丁寧に行いましょう。歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使って、細菌の付着した歯垢を除去することが必要です。特に寝る前の歯磨きは念入りに行いましょう。フッ素入りの歯磨き粉やジェルを使いましょう。フッ素は、歯の再石灰化を促進し、歯を強くします。
ダラダラ食べ・飲みをしないようにしましょう。食事や間食をすると、口の中が一時的に酸性に傾き、脱灰が起こります。この時間を長くすると、再石灰化が追いつかなくなります。食事や間食は時間を決めて行いましょう。
脱灰が治らない場合は、歯科医院で治療を受ける必要があります。初期むし歯の場合は、フッ素塗布や薬剤注入などで再石灰化を促すことが出来ます。

<h3>唾液が歯の酸を中和する</h3>
脱灰の逆の現象が再石灰化です 。脱灰されたミネラルが唾液などから補給されて元に戻ることが再石灰化です 。再石灰化は、歯の自然修復のメカニズムとして重要な役割を果たします 。
再石灰化を促すために、歯磨きを丁寧に行いましょう。フッ素入りの歯磨き粉を使いましょう。フッ素は、再石灰化されたミネラルをより強固な物に変えます 。これにより、歯がむし歯に強くなります 。

<h3>脱灰と再石灰化のバランスが崩れると、むし歯ができる</h3>
唾液の分泌量を増やし、再石灰化を促しましょう。唾液は、酸性度を中和し、再石灰化を促します。キシリトールやリカルデント配合のガムを噛む事で、唾液の分泌量を増やすことが出来ます。
再石灰化は、初期むし歯の段階であれば自然に起こる現象ですが、進行したむし歯では追いつかなくなります。その場合は、歯科医院でむし歯治療を受ける必要があります。進行したむし歯の場合は、歯を削って詰め物や被せ物をすることで保護します。早めに受診して、歯の健康を守りましょう。

<h2>むし歯の進行段階</h2>

<h3> CO(シーオー)の症状・治療法</h3>
COは、むし歯の進行度を表す指標の一つです。要観察歯と呼ばれます。COは、エナメル質の成分が溶け出す現象である脱灰が疑われる段階です。この段階では、むし歯の穴はまだ開いていないため、治療をしなくても自然に治る可能性があります。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、歯は白っぽく濁ります。脱灰によってエナメル質が透明度を失い、白く濁ったり、白斑(はくはん)と呼ばれる白い斑点ができたりします。
COでは、神経が通っている象牙質や歯髄にまでむし歯が進行していないため、痛みやしみる感覚はありません。
COの歯を放置すると、むし歯は更に進行してエナメル質を突き抜けて象牙質に達し、C1(初期むし歯)になります。治療はフッ素塗布や薬剤注入を行います。

<h3> C1(シーワン)の症状・治療法</h3>
C1は、歯の表面にあるエナメル質が溶け始めて穴が開いている状態のむし歯です。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、痛みやしみるといった自覚症状はほとんどありませんが、放置するとむし歯は進行してしまいます。
C1のむし歯の治療法は、歯科医院でむし歯部分を削って詰め物をします。詰め物は白いプラスチック(レジン)や金属などの素材で行われます。
C1のむし歯は初期段階ですが、放置せずに早めに対処しましょう。そうすることで、重度のむし歯や神経治療などを避けることが出来ます。

<h3> C2(シーツー)の症状・治療法</h3>
C2は、エナメル質を溶かして内部の象牙質にまでむし歯が進行した状態です。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、痛みやしみるといった自覚症状が出始めますが、神経にはまだ影響がないため、神経を取る必要はありません。
C2のむし歯の治療法は、むし歯部分を削って詰め物や被せ物をします。詰め物や被せ物には、金属・レジン・セラミックがあります。
治療しないと、むし歯は更に進行し神経まで達し、激しい痛みが出ます。C2から先のむし歯への進行は一気に加速します。その為、早めに治療することが重要です。

<h3> C3(シースリー)の症状・治療法</h3>
C3は、歯の神経や血管がある歯髄までむし歯が進行した状態です。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、常にズキズキとした激しい痛みを感じたり、熱いものや冷たいものがしみたりする自覚症状があります。また、むし歯の部分が黒くなったり、口臭が出たりする事もあります。
C3のむし歯の治療法は、むし歯部分を削って神経や血管を除去する根管治療を行います。その後、詰め物や被せ物で歯を修復します。
C3のむし歯は重度ですが、根管治療で対処することで、更なる悪化や抜歯を避けることが出来ます。

<h3> C4(シーフォー)の症状・治療法</h3>
C4は、歯の頭の部分(歯冠部)がなくなり根だけ残った状態です。

<h4>歯の状態・自覚症状</h4>
この段階では、歯髄(歯の神経)が完全に蝕まれているので、歯の症状は消失します。しかし、顎の骨の中にある歯根の先に膿が溜まったり、むし歯の部分が黒くなったり、口臭が出たりします。
C4のむし歯の治療法は、抜歯するか、土台を作って被せ物をするかです。抜歯する場合は、その後に入れ歯・ブリッジ・インプラントなどで歯を補う必要があります。土台を作って被せ物をする場合は、根管治療を行ってから、プラスチック・金属・セラミックなどで歯を被せます。
進行すると、膿があふれて顔面腫れや高熱など重篤な合併症を引き起こす事があります。

<h2>まとめ</h2>
むし歯が出来てしまってもCOなら経過観察できます。CO、C1、C2と小さなむし歯治療ですむように日頃から定期的に歯科医院で検診を受けて、自分の歯の状態を把握することがお勧めです。

投稿者: 柏木歯科医院

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