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2023.07.28更新

こんにちは

ヨーグルトのCMなどで、プロバイオティクスという言葉を耳にしたことありませんか?
プロバイオティクスというと、腸内環境を整えて、全身の状態を改善させますが、実は歯やお口の健康にも効果があります。
最近では、むし歯や歯周病の予防にもプロバイオティクスを導入しようとする向きも見られるようになりました。
今回は、むし歯や歯周病を予防し、歯やお口の健康を守るプロバイオティクスについてお話しします。
<h2>プロバイオティクスについて</h2>
まず、プロバイオティクスについてご説明します。
<h3>プロバイオティクスって何?</h3>
プロバイオティクスとは、実は細菌の名前です。
正しくは、腸内細菌のバランスを整えることのできる生きた細菌で、1989年にイギリスで提唱されました。
プロバイオティクスをたくさん含んだ食品をプロバイオティクス食品といい、ヨーグルトや納豆などが挙げられます。
なお、腸内細菌の餌になる成分を含む食品をプレバイオティクスといい、オリゴ糖が有名です。
細菌を直接供給するのがプロバイオティクス、腸内細菌の餌がプレバイオティスクというわけです。
<h3>プロバイオティクスの効果</h3>
プロバイオティクスの効果は、次の通りです。
①腸の健康を高める
ヒトの腸の中には、100兆もの細菌がいます。
腸の中の細菌は、仲間ごとに集まっていて、その集まりを腸内細菌叢と言います。
腸内細菌叢には、腸の中を健康にする善玉菌、逆の悪玉菌、そしてその中間とも言える日和見菌があります。
プロバイオティクスは、善玉菌を供給することで、腸内細菌叢の善玉菌を増やし、腸の健康を高めます。
②免疫力を高める
ヒトの身体の免疫細胞の60%以上は、実は腸の中にいます。
このため、腸の状態が免疫力に大きく関係しています。
腸が健康ですと全身の免疫力も上がりますが、不健康なら下がってしまいます。
プロバイオティクスには、腸内細菌叢を整え、腸の健康を改善する効果がありますので、それにともなって免疫力も高められます。
③アレルギーを予防する
アレルギーは、免疫細胞が過剰に反応することで起こります。
プロバイオティクスによる免疫力の改善は、アレルギー反応を予防し、アレルギー性の病気の症状を改善します。
④がんの発生を予防する
実は、がん細胞は、身体の各所で発生しています。
ところが、がんにならないのは、免疫細胞ががん細胞を捕食して無くしてしまうからです。
言い方を変えれば、がんになるのは免疫力がきちんと作用できなかったからともいえます。
プロバイオティクスには免疫力を高める効果がありますので、がんの予防効果も期待できます。
⑤動脈硬化の予防
プロバイオティクスには、血液中のコレステロールの改善作用もあります。
コレステロールが増えると、血管の壁が硬くなり、動脈硬化の原因となります。
プロバイオティクスの細菌にはコレステロールの吸着作用や、排泄作用があることが明らかになっています。
プロバイオティクスには、コレステロールの改善を通して動脈硬化を予防する作用もあります。
<h2>予防歯科とプロバイオティクス</h2>
腸内環境を整えるプロバイオティクスは、予防歯科にも深い関係性を持っています。
<h3>歯やお口にはL.ロイテリ菌</h3>
数多くのプロバイオティクスの中でも、予防歯科に関係性の高いプロバイオティクスとして、ラクトバチラス ロイテリ菌(L.ロイテリ菌)があります。
L.ロイテリ菌は、乳酸菌のひとつです。
L.ロイテリ菌にはお口の中に止まりやすい性質があり、歯やお口の健康を守ります。
もちろんプロバイオティクスですから、胃腸などの消化器官の環境を整える働きも持っています。
例えば、胃の中のピロリ菌を減らし胃潰瘍などのリスクを下げてくれるなど、とても優れた細菌です。
<h3>L.ロイテリ菌の作用</h3>
L.ロイテリ菌は、ロイテリンという抗菌作用のある物質を作り出す性質を持っています。
ロイテリンは、むし歯菌や歯周病菌に作用する性質のある抗菌物質で、むし歯菌や歯周病菌の繁殖を抑えます。
むし歯菌や歯周病菌が減る理由の一つは、このロイテリンの作用です。
また、プロバイオティクスとして免疫力を高めることも、むし歯菌や歯周病菌を減らす効果があります。
L.ロイテリ菌はこれらの働きで、歯やお口の健康を高めると考えられています。
<h2>L.ロイテリ菌の予防歯科効果</h2>
L.ロイテリ菌は、次に挙げるような効果を持つプロバイオティクスです。
<h3>むし歯菌や歯周病菌への抗菌作用</h3>
L.ロイテリ菌を接種したのち、お口の中の唾液に含まれるむし歯菌の数を測定したところ、20~30%くらいにまで減少していたそうです。
歯周病菌に関しては、90%も減っていたということで、お口の2大トラブルの原因菌に対するL.ロイテリ菌がわかります。
<h3>プラークコントロールの向上</h3>
プラークとは、歯の表面についている白いカスのような付着物ですが、その正体は細菌の塊です。
むし歯や歯周病の原因菌もここにいます。
L.ロイテリ菌は抗菌作用によりむし歯菌や歯周病菌を減らしますので、細菌の集合体であるプラークも減ります。
プラークコントロールは、歯磨きなどを通してプラークを減らすことです。
プラークが減ると、日常の歯磨きでのプラークコントロールもしやすくなります。
<h3>歯周病の進行抑制</h3>
一度発症してしまった歯周病にもL.ロイテリ菌は有効です。
歯周病の原因は、プラークの中にいる歯周病菌です。
L.ロイテリ菌を摂取すると、歯周病菌の数が大きく減少しますので、歯周病の進行を抑えるのにも効果が高いです。
実際、歯肉の炎症が落ち着き、出血や痛みが大幅に改善できます。
<h3>抗菌薬を減らせる</h3>
L.ロイテリ菌は抗菌作用で細菌の数を減らすと同時に、腸内環境を整えて免疫力も高めます。
歯やお口が炎症を起こしにくくなりますので、抗菌薬の使用量を減らす効果が期待できます。
<h2>まとめ</h2>
今回は、予防歯科でのブロバイオティクスの効果についてお話ししました。
プロバイオティクスというと腸の環境を整えるイメージがありますが、プロバイオティクスのひとつL.ロイテリ菌には
①むし歯菌や歯周病菌への抗菌作用
②プラークコントロールの向上
③歯周病の進行抑制
④抗菌薬を減らす
などの効果が期待できます。
むし歯や歯周病予防にプロバイオティクスを試してみるのもおすすめです。
ただし、L.ロイテリ菌をはじめプロバイオティクスだけでむし歯や歯周病を予防できるわけではありません。
あくまでもむし歯や歯周病予防を助けるだけですので、ご注意ください。
当院は、予防歯科に力を入れており、その専門知識や経験の豊富です。
予防歯科にご興味のある方、予防歯科を受けたいという方は、当院で一緒に予防歯科に取り組みませんか?

 

投稿者: 柏木歯科医院

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