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2023.07.07更新

 

<h2>歯垢と歯石はどういう違いがあるか</h2>
<h3>歯垢とは?</h3>
歯垢はプラークとも呼ばれています。歯垢は食べかすが歯に付いたものという認識を持っている方がいますが、食べかすだけではありません。顕微鏡で見ると食べかすよりも細菌が多くを占めます。つまりプラークの主体は細菌です。成熟した歯垢はねばねばしてさらに細菌を凝集させていきます。およそ1mg中に1億個以上の細菌がいると言われています。ですので、最近はプラークはバイオフィルムと呼ばれることもあります。歯垢自体は食後4~8時間程度で作られます。歯垢はよく知られるようにむし歯や歯周病、口臭の原因になります。細菌は糖を分解し酸を作りむし歯の原因となり、細菌から出される毒素やケミカルメディエーターと呼ばれる炎症を惹起させる物質は歯周病を誘発します。舌に汚れが溜まると舌苔と呼ばれますが、これが口臭の原因となることがあります。
<h3>歯石とは?</h3>
歯石は歯垢(プラーク)が硬くなったものです。不十分な歯磨きで歯垢が除去できていないと、唾液に含まれるカルシウムやリン酸が歯垢に沈着し石灰化と言って硬くなっていきます。歯垢は軟らかく容易に除去できますが歯石は硬くなって文字通り石のようになり、歯ブラシで除去が難しくなります。歯石は歯垢がついて2、3日程度で歯石に変わっていくと言われています。歯石はその成分のおよそ8割がリン酸カルシムです。しかし中にはタンパク質、炭水化物、細菌が含まれています。歯石そのものがむし歯を引き起こすことは考えにくいですが、歯石の表面はざらざらしているためにさらに汚れや細菌が付きやすい環境になります。そのため歯周病やむし歯治療の一環として歯石の除去が行われます。
<h3>歯石には種類がある?</h3>
歯石は部位によって呼び方が異なります。歯茎の上にあるものと下にあるものによって名称がかわり、前者は歯肉縁上歯石、後者は歯肉縁下歯石となります。縁上歯石は白色や黄色を帯びていて、縁下歯石と比べ比較的容易に除去が可能です。一方で縁下歯石になると血液成分を含み褐色、黒色になり固く歯の面にこびり付いて除去することが難しくなります。

<h2>歯垢と歯石に対する治療法</h2>
<h3>歯垢に対する治療法</h3>
歯垢は食後8時間程度もすれば歯の周りや歯茎周りに付いてきてしまいます。歯科医院で歯垢を除去する掃除をしていたとしても、基本的に多くの場合は早くても1週間に1度のペースの予約だと思います。1週間も汚れを放置していれば、歯垢ではなく歯石に変わり歯茎の炎症を引き起こしてしまいます。従って歯垢に対する治療法は予防法に準じますが、ご自身のセルフケアつまり歯磨きが最も効果的で重要です。時々うがいだけで殆ど歯磨きをしない方がいますが、歯垢は細菌の塊でバイオフィルムという物を作っています。これは排水溝のぬめりと同じで流してもなかなか除去できません。こすり落とさないとなかなか除去できないものです。うがい薬の薬用成分もバイオフィルムには浸透しにくいです。しっかりと磨いて汚れを落としましょう。
<h3>歯石に対する治療法</h3>
歯石は前述のように固くて歯ブラシで除去することが困難です。歯石が付いてしまった場合には歯科医院で除去してもらい、口腔環境を整えることが重要になります。歯石を除去する道具はスケーラー、超音波スケーラーなどが代表的なものです。これらは縁上歯石、縁下歯石のどちらにも使用しています。しかし、特に縁下歯石の除去は歯茎の中の歯石の除去をすることになり、直視して除去することができません。この場合には外科的に歯茎を切り、歯の根を直接目視して歯石をとることがあります。一般的にこのような処置は軽度の歯周病で行う事はありませんが、中等度、重度になると治療計画の1つとして検討することがあります。

<h2>歯垢と歯石の予防法</h2>
<h3>歯垢の予防法</h3>
歯垢は誰にでも付くもので避けることが難しいです。しかし、自身の歯磨きなどセルフケアでその量を減らす事が可能となります。歯ブラシの動かし方、歯への当て方、歯磨き回数・時間どれも重要です。磨いているにもかかわらず、磨けている気がしない、口の中の粘つきが取れない場合は歯磨き方法が上手くいっていない可能性があります。その他の補助用具として、歯間ブラシやフロスがあります。汚れは歯ブラシだけで除去することは困難です。補助用具の使用は1日1回は必ず行い、歯垢付着の予防を心がけましょう。
<h3>歯石の予防法</h3>
歯石は歯垢から派生してきます。従って、いかに歯垢を除去するかが歯石の予防法につながります。つまり歯垢付着予防が歯石沈着予防を兼ねるというふうに考えて良いでしょう。歯垢の量を減らす事が可能であれば、歯石の量も減っていきます。歯石は特に唾液腺開口部という唾液が出る場所から付きやすいとされています。上の奥歯の頬側、下の前歯の裏側に歯石ができやすいです。

<h2>まとめ</h2>
歯垢と歯石の違いが大まかに理解できたでしょうか。歯垢は柔らかいので歯磨きをすることによって自分で除去が可能です。いかに歯垢を除去できるかが、歯石が沈着するかに関わってきます。歯垢は歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシなども使用して取るようにしましょう。歯石は歯科医院にて定期的に除去してもらうようにしてください。歯垢の除去は歯周病治療の基本でありながら重要な項目です。日頃のセルフケアを大切にしてください。

 

 

投稿者: 柏木歯科医院

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